9月13日(金)19時から柏原住民センターで、標記の研修会を開催しました。この研修会は市同教の部会のうち、社会教育部会、女性部会、宗教部会、企業部会の部会員並びに理事の皆さんを対象としたものです。39人が参加しました。講演の講師に、尼崎市職員でハンセン病家族訴訟原告団(あじさいの会)副団長の黄光男(ファン グァンナム)さんをお迎えし、「ハンセン病家族の思い~問われているのは誰ですか~」の演題でお話ししていただきました。
家族がハンセン病にり患したことにより、幼いころから両親や兄弟姉妹と離れて暮らさざるを得なかった経験をもとにしたお話です。「明治末期からのらい病に関する法律により、ハンセン病患者を隔離する「無らい県運動」が各地で展開され、地域社会にハンセン病に対する偏見・差別や忌避感や排除意識が定着した。1996年にこの法律は廃止され、熊本地裁で国家賠償請求訴訟が始まった。2019年に原告勝訴の判決が下されたが、ハンセン病家族の被害は払しょくされず、現在も約800人が全国の療養所に残されているなど課題が多い。」といった内容でした。講演の最後には、自作の歌「閉じ込められた生命」などをギータの弾き語りで披露され、ハンセン病家族の思いを訴えられました。
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「丹波市人権ゆかりの地探訪」を開催しました
8月22日(木)13時30分から春日住民センターで市同教による「丹波市人権ゆかりの地探訪」の研修会を開催しました。この研修会は隣保館事業の「じんけんセミナー」を兼ねて実施しています。参加対象は、市内の小・中・県立学校の教員と参加を希望された市民の方々です。参加者は想定を上回り60人近くになりました。
講義は「氷上の水平運動と松茸山入会権闘争」のテーマで、大阪人権博物館館長の朝治武さんによるお話しです。まず、1922年の全国水平社創立(3月3日)と兵庫県水平社創立(11月26日)に続いて、1925年9月26日に柏原町の氷上公会堂で氷上郡水平社が創立された際の決議文や創立に至るまで経緯などについて資料や新聞記事などを見ながら説明を聴きました。そして、その後の差別事件をめぐって有力者たちの調停による解決が高く評価されたことや、松茸山入会権闘争の展開と帰結についてのお話を聴くことができました。80分という限られた時間の中で多くのことを学びました。朝治さん、ありがとうございました。
学校教育人権研修会を開催しました
8月1日(木)13時30分より氷上住民センターで標記の研修会を開催しました。参加対象者は、市同教の部会に登録されている市内の認定こども園、小中学校、県立学校の先生たちと関係する理事の皆さんです。講師に「じんけんSCHOLAR」共同代表の上杉聰さんをお招きし「教科書のなかの部落問題~その大きな変化から考えること~」の演題でお話を聴きました。
餞民廃止令(解放令)から150年、全国水平社創立から100年が経ってもなくならない部落差別。その歴史の研究が始まったのは1970年ごろ。1975年ごろから学校の教科書に部落問題が書かれるようになった。社会科の歴史分野の教科書には「庭造り」「身分制」「腑分け」「渋染一揆」「廃止令」「水平社」「憲法」「差別撤廃」について記述されているが、これらの記述には今後改善が必要とされる点がある。また、研究の過程で江戸時代の身分制度の表記に間違いがあることがわかり改訂された。などについてお話がありました。また、最後に「人権を学ぶことはすべての人が安心して優しく過ごしていくことにつながる」と締めくくられました。
部落史の研究によって、今後さらに教科書の内容が確かなものになるので、先生たちも児童、生徒にしっかりと教えてほしいという上杉さんの思いを感じ取ることができました。50名を超える参加者は皆熱心にメモを取りながら聴講されていました。
上杉さん、酷暑の中、遠方まで来ていただきありがとうございました。
第71回兵庫県人権教育研究大会丹波地区大会が開催されました
7月27日(土)に標記の大会が、丹波篠山市立四季の森生涯学習センターとその周辺施設で開催されました。今回は9時から午前中での開催でしたが、朝から気温が上昇する暑い日となりました。大会テーマは「差別の現実から深く学び、生活を高め、未来を保障する教育を確立しよう」です。
全体会では、関西外国語大学教授の新井肇さんに「いじめを生まない学校・社会をめざして~子どもと大人が手を携えてできること~」の演題で講演をしていただきました。講演の柱は①いじめの社会問題化と法の成立 ②いじめの現状といじめ防止対策の課題 ③子どもがいじめをしない人に育つために の3本です。「いじめは学校だけの問題ではなく社会全体の問題として捉えなければならず、2013年に成立した「いじめ防止対策推進法」にはいじめ防止に社会総がかりで取り組む決意が示されている。また、この推進法によっていじめの定義は大きく変わった。いじめ問題において目指すべきは「いじめゼロ」ではなく「いじめ見逃しゼロ」であり、いじめは見つけようとしなければ見つからない。児童生徒が共生社会の担い手として育つためには、多様性を認め合い理不尽な世の中を変えられる大人になることをめざさなければならない」など、たくさんのことを教えていただきました。また、コロナ関連の学校でのいじめが大人社会に比べ少なかったことは「学校で正しい知識を教え、理解か深まったことが大きな要因だ。」ともおっしゃっていました。「見つけようとしないと見つからない」「正しい知識と理解の深まりが必要」などは、あらゆる人権課題についても当てはまることだと思いました。
9つの分科会では、丹波市から小学校2校、中学校1校、国際交流協会、自治会より5つの分科会で報告がありました。報告者・司会者・記録者の皆さん、お疲れさまでした。丹波市からは総勢140人程が参加されました。
第1回社会教育人権研修会を開催しました
6月21 日(金)19時から柏原住民センターで、標記の研修会を行いました。今回は、市同教の社会教育分野の部会員と理事など68人が参加されました。講演では、公益財団法人 反差別・人権研究所みえの松村元樹さんに「無関心でいられても無関係ではいられない人権問題」の演題でお話ししていただきました。
差別問題の基礎基本して、「たいていの人が無意識の偏見や思い込み(アンコンシャスバイアス)をもたされている」「差別は、たいていが悪意なき、差別的意図なき人たちが日常の場で起こす社会問題(マイクロアグレッション)」「差別は“結果”の問題であり、自分が差別したか否かを自分で判断することは困難、また、差別などを見ないし聞かないから差別はないと個人的実感だけで判断するものではない」「人権問題を“思いやりや優しさ”だけで解決することは不可能」「差別解消の責任をマイノリティに課してはならず、マジョリティが解決すべき問題」などを柱として、具体的な例を挙げてお話していただきました。時間の都合で端折りながらの講演となりましたが、配付資料を読み直したり松村さんのブログを見たりして更に学びを深めたいと思います。松村さん、遠方から丹波の地へお越しいただき、ありがとうございました。
2024年度の研修会・研究大会の予定をお知らせします
2024年度事業の中で、主な研修会等の参加についてお知らせします。 ⇒ 2024研修会・研究大会の予定